OUT OF SIGHT!!! Vol.1「京都と音楽と、この10年」_ Editorial

京都のカルチャーメディア, ANTENNA・PORTLA編集部が発行するインディペンデントカルチャーマガジン OUT OF SIGHT!!!の創刊号. いわゆる音楽メディアが扱うような俯瞰的, リリース作品中心の目線ではなく, 実際に地べたの京都で見てきたシーンや見かけるプレイヤーたちを同じ目線で紹介した非常にリアルな内容であり, 全112ページのフリーマガジンとして京都を中心としたライブハウスや書店に加え, 公共施設にも設置され話題を呼びました. 当時雑誌のデザイン経験もなくANTENNA編集長である堤さんと副編集長の岡安さんからの依頼で引き受けた本誌では, 今出版物を多く手がける現在の活動の原点ともなる体験として, 雑誌制作ならではの連日続く文化祭のようなライブ感や過密な対話, そしてそれが世の中に放たれた時の反響の大きさを身をもって体感するものでした. OUT OF SIGHT!!!の顔でもある表紙イラストは, Vol.1から通底し, 画家の高木真希人さんに依頼しています. 彼の作品であるスナップシリーズの路地裏の生々しい空気感を表現したペインティングや, その強烈なキャラクターのインパクトとユニークさがもつ独特の世界観のリアルさが, まさにOUT OF SIGHT!!!が目指す佇まいと合致していました. 誌面のデザインは, 文字と図版を重ね合わせ情報が密集し混ざり合うような構成にすることで, 小綺麗に整えられた引いた目線のものではなく, 京都の音楽シーンに読者が埋もれてしまうような, リアルで熱気に溢れた誌面を目指しました.